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じわじわ増加中、ヘルパンギーナとは?
前回、現在増加中の病気として手足口病とヘルパンギーナの発生情報をお伝えし、手足口病について解説いたしました。(下記URL参照)
https://yokone-machi.com/news/p407/
手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱は夏に流行する「夏かぜ」の代表的な3大疾患です。今回はヘルパンギーナについて解説します。
【目次】
ヘルパンギーナとは?
ヘルパンギーナは、発熱とともに、のどに痛みと水疱が現れる急性のウイルス感染症です。「夏かぜ」の一種で、乳幼児を中心に夏に流行します。毎年5月頃より増加し始め、7月頃にピークを形成し、9~10月にはほとんど見られなくなります。5歳以下が全体の90%以上を占めます。
ヘルパンギーナの名称は、ドイツ語で水疱を意味する「ヘルペス」と、のどの炎症を意味する「アンギーナ」という2つの単語からできています。症状がそのまま病気になったのですね。
アルコールが効きにくいという特徴も覚えておくとよいでしょう。
ヘルパンギーナの病原体は?
主にコクサッキーウイルス、まれにエコーウイルスが原因となります。「他のサイトでエンテロウイルスって書いてあったけど、これって違うの?」と思われた方、それも正解です。
エンテロウイルスは腸管で増殖するウイルスの総称で、60種類以上あります。
| エンテロウイルス属の中に |
| ・コクサッキーウイルス(A群、B群) ・エコーウイルス ・ポリオウイルス ・その他のエンテロウイルス |
| があるんです。ややこしいですね… |
ヘルパンギーナの症状は?
突然の高熱に続いて、のどに痛みと水疱(小さい水ぶくれ)が現れます。発熱は1~3日続き、だるさ・頭痛を生じることもあります。のどの痛みが強いため、食欲の低下もよくみられます。腹痛や下痢を訴えることもあります。
通常は2~3日以内に回復します。熱性けいれんを併発することもあります。合併症には髄膜炎・心筋炎などがあり得ます。

ヘルパンギーナの感染経路は?
接触感染、糞口感染(便と一緒に排せつされたウイルスが口に入って感染すること)と飛沫感染です。
ヘルパンギーナの潜伏期間は?
潜伏期間は2~4日程度。
ヘルパンギーナの診断方法は?
口腔内ぬぐい液・糞便・髄液からのウイルス分離や血清学的検査もありますが、通常は症状やのどの所見から診断します。突然の高熱とのどの痛みがあり、咽頭後壁に水疱があればヘルパンギーナの可能性が高いです。

ヘルパンギーナの治療は?
ワクチンや特別な薬はありません。のどの刺激になるような辛い物・すっぱい物などは控えて、脱水にならないように、こまめに水分摂取を繰り返しましょう。
ヘルパンギーナの予防法は?
感染者との密接な接触を避けることと、流行時に手洗い・うがいといった感染対策を励行することが重要です。
ウイルスは腸管で増殖し、糞便へのウイルス排出が2~4週間続きます。排泄物の処理に注意し、発症した乳幼児のおむつ交換後は、流水と石けんでしっかりと手洗いをしてください。
原因となるエンテロウイルス属(コクサッキーウイルスやエコーウイルスなど)はアルコールが効きにくいと言われているので、流水と石けんを用いた手洗いが重要です。
アルコール消毒の効きにくいウイルスとは?
ちなみに、よくあるウイルス感染症でアルコールが効きにくいものには以下のウイルスがあります
| ウイルス | 引き起こす病気 |
| ・アデノウイルス | 咽頭結膜熱・流行性角結膜炎 |
| ・エンテロウイルス (コクサッキーウイルス、エコーウイルス) |
手足口病・ヘルパンギーナ |
| ・ノロウイルス・ロタウイルス | 胃腸炎 |
糞便で排出されるウイルスはアルコールの効きにくいものが多いです。これらについてはアルコールでの手指衛生ではなく、流水と石けんでウイルスを洗い流すことが重要です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
参考文献
・厚生労働省ホームページ 感染症情報
・国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト