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ホーム お知らせ・コラム インフルエンザの治療(概要)
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インフルエンザA型は2025年11月に増加し、年末にかけて減ってきていましたが、2026年1月になり当院ではインフルエンザB型が増加しています。通常は2月頃からインフルエンザB型が増加しますが、今年は波が早そうです。

今回はインフルエンザの治療について説明します。

 

インフルエンザは、みんな抗ウイルス薬を使うの?

「インフルエンザにかかったら、タミフルなどの抗ウイルス薬を飲むもの」と思っている方は多いかもしれません。
しかし、インフルエンザにかかったすべての人が必ず抗ウイルス薬を使わなければいけないわけではありません。

たとえばアメリカCDC(疾病予防管理センター)のガイドラインでは、

  • 重症化しやすい持病がある方
  • 症状が重く、入院が必要な方

に対して、抗ウイルス薬による治療を特にすすめています。

たとえば、COPDなどの慢性肺疾患があり、普段から酸素の値が低い方は、インフルエンザをきっかけに呼吸状態が急激に悪化することがあります。このような方では、早めに抗ウイルス薬を使うことで重症化を防ぐことが重要になります。

一方で、健康な若い方で症状が軽い場合には、必ずしも抗ウイルス薬を使わず、解熱剤などの対症療法のみで経過を見ることもあります。

インフルエンザが重症化しやすい人は?

次のような方は、インフルエンザが重症化しやすいとされています。

喘息やCOPDなどの慢性の肺の病気がある方
心不全などの心臓の病気がある方
腎臓や肝臓の病気、糖尿病がある方
5歳未満の小さなお子さん、65歳以上の方
妊娠中の方、出産後まもない方(産後2週間程度)

これらに当てはまる方には、積極的に抗ウイルス薬での治療をおすすめしています。

インフルエンザの抗ウイルス薬はどれくらい効くの?

抗ウイルス薬は、「すぐに治る魔法の薬」ではありません。
タミフルなどの抗ウイルス薬を使うことで、

症状が治るまでの期間が平均で約1日短くなる

と報告されています。

さらには、タミフルの内服により抗菌薬を要する呼吸器感染症のリスクは約9%→5%に減少し、入院の確率が1.7%→0.6%へと減少することが示されました。

同様の研究は他の抗ウイルス薬でも行われ、だいたいどの薬も症状改善を1日早める程度、という結果がでています。つまり、インフルエンザに対する抗ウイルス薬は症状を1日短縮させてくれるものと考えるとよいでしょう。肺炎になることや入院を回避するといった重症化を予防する効果、死亡を回避する効果が証明されているかどうかといった点が薬ごとに異なりますが、これらの研究は条件や対象となった患者さんが異なります。そのため、「どの薬が一番優れている」とは一概に言えず、患者さんの年齢・製剤の形状・吸入手技ができるか・生活状況に応じて薬を選ぶことが大切です。

インフルエンザの抗ウイルス薬にはどんな種類があるの?

現在、日本で使われている主な抗ウイルス薬には次のようなものがあります。

  • タミフル (飲み薬)
  • ゾフルーザ(飲み薬)
  • リレンザ    (吸入薬)
  • イナビル    (吸入薬)
  • ラピアクタ (点滴)

ラピアクタは点滴製剤であり、内服の困難な方には有用です。クリニックよりは主に病院で使われることが多いように思います。リレンザも歴史のある薬ですが、吸入であるために内服薬と比較して使用頻度が低いように感じます。

このなかで、当院で主に使用している
タミフル・ゾフルーザ・イナビルについてご説明します。

タミフル

  • 飲み薬です
  • 1日25日間飲み続けます
  • ドライシロップ(小児用の粉薬)があり、子どもにも使えます
  • 長年使われており、実績が豊富です

妊婦さんや小児を含めた安全性のデータが多く、
重症の方や妊婦さんにも使われる薬です。

副作用として、吐き気・嘔吐・下痢などがみられることがあります。
また、B型インフルエンザではA型よりも効果がやや弱いという報告があります。

ゾフルーザ

  • 飲み薬です
  • 1回飲むだけで治療が終わります

12歳以上では、タミフルと同等、あるいはそれ以上の効果があったという報告があります。
特に、

  • ウイルス量を早く減らす
  • B型インフルエンザに対して効果が高い

ことが、この薬の特徴です。

一方で、耐性ウイルスが出やすい可能性が指摘されています。

イナビル

  • 吸入薬です
  • 1回吸入すれば治療が完了します

海外の研究では効果が乏しいとも言われましたが、日本の研究ではタミフルと同程度の効果があるとされました。
また、治療3日目の時点でウイルスが消えている確率がタミフルより高いという報告もあります。

吸入時に、咳やのどの違和感、むせなどが起こることがあります。
吸入が難しい方や、喘息がある方では注意が必要です。

耐性ウイルスの報告が少ないです。

【表1】3剤のまとめ (PC用)

剤型 副作用 価格(3割負担の場合)  特徴
タミフル 内服 1日2回、5日間

錠剤またはドライシロップ

悪心・腹痛 900~1,300円 ・長く使われていて実績がある
・子どもから大人まで使いやすい・妊婦にも比較的安心
ゾフルーサ 内服 1回のむだけ 悪心・下痢 2,000~3,500円 ・解熱が比較的早い

・B型においても効果が期待できる
・耐性ウイルスの報告あり

・6歳以上でB型なら使用を提案、12歳以上には推奨

イナビル 吸入 1回吸うだけ 咳・

咽頭違和感・

吸入時のむせ

1,800円 ・吸入ができる方
・喘息の方にはやや注意

*これに加えて解熱剤などの薬代や診察料、検査料などが3,000円弱かかります

 

【表2】3剤のまとめ(スマホ用)

投与法 特徴 3割負担の時の薬の値段
タミフル 飲み薬 朝夕5日間 実績が多く安心 900~1,300円
ゾフルーサ 飲み薬1回のみ 1回で終了

B型に強い

2,000~3,500円
イナビル 吸入薬1回のみ 1回で終了

吸う薬

1,800円

3剤の比較

妊婦さんに使いやすいのはタミフル

・他の薬剤が使用しづらい5歳以下の小児に使いやすいのもタミフル。ドライシロップ(小児用の粉薬)もあり、小児での臨床実績もある。

5日間、毎日朝夕薬を飲み切ることが不安な方についてはタミフルでの飲み忘れが心配です。飲み忘れが多いと効果が不十分となる可能性があります。そんな方はゾフルーザやイナビル。1回の投与で治療が完結します。

・現在増えているインフルエンザB型ではゾフルーザの臨床効果が高いという報告があります。

・イナビルは吸入ができそうだということを確認してから。小さいお子様や高齢者など、吸入の手技がうまくできないと効果が落ちる可能性があります。また、吸入によりせき込みが想定されます。とくに、気管支喘息の方においては注意とされています。

1回きりか5日間か、錠剤かドライシロップか吸入がよいか、インフルエンザA型かB型か によって薬を使い分けていくことになります。次回、もう少し説明いたします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

まずはインフルエンザにかからないことが大事なので、手洗い、マスク、人込みなど注意していきたいですね。

引き続きよろしくお願いいたします。