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ホーム お知らせ・コラム インフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマの流行状況
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はじめに

寒くなってまいりました。冬になるといろいろな感染症が増えます。冬はかぜやインフルエンザなど呼吸器感染症の流行する季節だということは、多くの方が実感されていることと思います。

2025年は11月頃からインフルエンザの波が現れ、ピークは越したようですが現在もなお警戒レベルとなっています。今回はインフルエンザおよびインフルエンザ以外の感染症について、最近の流行状況についてお伝えします。厚生労働省・国立感染症研究所は毎週感染症情報を発表していますので、2025年12月中旬までの全国の感染症データをもとに、最近の流行状況をお伝えします。

 

現在のインフルエンザの流行状況

第50週(12月第2週)までの全国のインフルエンザ定点あたり報告数のデータをお示しします(図1)。定点当たり報告数とは、全国の決められた医療機関で、1施設あたり1週間に何人の患者さんを診断したかを示す指標です。

図1の赤い曲線が2025年の定点当たりインフルエンザ報告数です。第47週(11月第3週)をピークに、その後は減少傾向に見えます。黄緑の曲線は2024年の報告数ですが、2024年は12月に入ってからインフルエンザが急増し、年末にピークを迎えていますので、2025年は2024年より1か月早く流行を迎えたことが分かります。

【図1】全国のインフルエンザ定点当たり報告数

続いて全国ではなく愛知県のインフルエンザ報告数のデータをご紹介します(図2)。
12月第3週までの愛知県のインフルエンザ定点当たり報告数も全国データと同様に第47週(11月第3週)をピークに減少傾向にあります。ただし、今もなお警報レベルの流行が持続していますので、まだまだ注意が必要です。なお、インフルエンザは11月頃からA型が流行し、年明けの1~2月頃からB型が流行し始めることが多いと言われていますが、愛知県でも最近ちらほらとB型が報告され始めました。当院でも2025年12月に数例インフルエンザB型を確認しています。

【図2】愛知県のインフルエンザ定点当たり報告数

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)

図3が新型コロナウイルス感染症の報告数です。2023年(オレンジの曲線)、2024年(黄緑の曲線)と比較すると2025年(赤の曲線)はグラフの位置が低くなっています。年間を通じて過去2年よりも発生数が少ないことが分かります。2024年までは1年に2回くらい大きな波が来ていましたが、2025年はこれまでのような大きなピークがなく、波が目立たなくなってきた印象です。ただし、流行が完全に終わったわけではなく、今後も季節や新しい変異株によって増える可能性はありますので、引き続き基本的な感染対策は大切です。

【図3】日本の新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数

マイコプラズマ

これはマイコプラズマという菌に感染することで発症する呼吸器感染症です。小児や若者の肺炎においては頻度が高いことが知られています。図4を見ると、2024年の秋~冬はこれまでになく大流行していたことが分かりますね。2025年も結構な数の報告がありました。昔は4年ごとにオリンピックの年に流行すると言われていたものです。以前はよく効く抗菌薬(例:クラリス、ジスロマック)を使えば困ることはあまりなかったのですが、最近はこれらの抗菌薬が効きにくいタイプも増えてきています。このため当院でも症状や年齢に応じて別の抗菌薬(例:ミノマイシン)を使うことが増えています。ミノマイシンはマイコプラズマにも百日咳にも効き、かつ安いのでよい薬なのですが、めまいや吐き気がでることがありますので、もしそのような副作用がありましたらすぐ当院までご連絡ください。また、小児には別の薬を使用します。

【図4】わが国のマイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数

水痘(すいとう)(水ぼうそう)

図5は水痘(すいとう)(水ぼうそうのことです)の報告数です。2025年の第20週~25週のあたり、つまり5月、6月頃にはかなり頻度が高かったことが分かります。例年は冬に増加することも多いのですが、2025年の冬は例年ほどの波ではなさそうです。

水ぼうそうは、主に9歳以下のお子さんがかかる感染症で、頭や胸・腹などの皮膚に赤い発疹が出現し、やがて水疱、そしてかさぶたのような性状の皮膚所見へと変わっていきます。飛沫・接触感染だけでなく空気感染でもうつる、非常に感染力の強いウイルスです。水ぼうそうにかかった時にウイルスが神経に忍び込み、水ぼうそうが治った後もウイルスは私たちの体の中で眠った状態で残ります。何年も何十年も経って高齢になった時や免疫が下がったときに神経から皮膚に出てきて発症するのが帯状疱疹です。皮膚に発疹が出てきたと思ったら結構な痛みも伴う、あの帯状疱疹です。皮膚の発疹が治った後も痛みが長く続くことがあります(帯状疱疹後神経痛と呼ばれます)。

というわけで、小児には水ぼうそうを、成人には帯状疱疹を引き起こすこのウイルスは「水痘・帯状疱疹ウイルス」と呼ばれています。この帯状疱疹の予防のために最近行われるようになったのが成人に対しての帯状疱疹のワクチンです。

帯状疱疹ワクチンは50歳から接種可能となりますが、現在 65、70、75、80、85、90、95、100歳の方は定期接種になっています。定期接種とは対象者や年齢を指定して市区町村が主体となって実施するワクチンで、自己負担額は発生しますが大府市からの補助により自費よりかなり安くなっています。当院でも接種を行っています。帯状疱疹のワクチンは2種類ありますが、効果の高いのはシングリックスです。シングリックスは2ヵ月の間隔をあけて2回の接種が必要です。

ここで注意が必要なのは2回とも定期接種としての助成を受けるためには3月31日までに2回目の接種が終わらなくてはならないという点です。2025年4月から2026年3月の間に上記の年齢になる方は助成の対象となりますので、ワクチンを検討されているなら2026年1月中に1回目のワクチンを接種し、3月に2回目の接種を行うことで2回とも助成が受けられます。接種前に保健センターへの申請が必要です。自己負担額は1回6500円、2回で合計13000円です。定期接種の年齢になっている方はせっかく補助が出る年ですから打っておくとよいと思います。上記の65、70、75…歳でない方についても50歳以上であればいつでも自費での接種は可能ですので、当院にご連絡ください。ワクチンについてはWeb予約でなく電話で受け付けております。

【図5】わが国の水痘の定点当たり報告数

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

感染症情報につきましては今後も時々掲載していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

参考文献

1.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

2.厚生労働省 感染症情報

3.愛知県衛生研究所 愛知県感染症情報